「ダメだ、ホント分かんない!!」
「公式覚えりゃ一発だろうが!!」
苦しんでいる生徒を丸めた参考書で頭を叩く外山先生は人間としてどうかと思うが
家庭教師としてはかなり優秀なんじゃないかと思う。
実は努力家な先生は私がつまづく所だってちゃんと分かってる。
ただそれを上手く体現できてないのがとても残念です。
(俗に言うツンデレというものでしょうか)
(…デレが無いから、ツンツンか)
「重力とかマジで死ねばいいのに」
「うっわ…」
先生の主な感情表現としては、嘲笑と爆笑。
ちなみに後者は大体私の珍解答を見たときに起こります。
あとは、このような暴力です。最低ですね。
然し不思議な事に母は痛く彼を気に入っているようで
辞めさせるなんて考えもしないようです。
この面食いが、と娘ながらに思うわけですが確かにカッコイイのです、外山先生。
「ぼーっとしてねぇで、ちゃんと解けよ?」
「はいよー…」
いい加減な返事に続いて再びバシンという音が部屋に響いた。

(後日…)
「せんせーに嬉しいお知らせ!!」
「おー?また珍解答かぁ?」
うるせぇという言葉が喉まで出掛かったが、偉い私はちゃんと堪えて
笑顔を作ったまま一枚の紙を先生に差し出す。
見事な3桁のテスト用紙を。
「…なんだよこれ」
「え?答案用紙ですけど」
「そうじゃねーよ、ばーか」
今回は参考書という武器がないので素手で軽く頭を叩かれた。
「あのさ!頭叩くと脳細胞死滅するんだよ知ってた!?」
「お前もしかしてワザと馬鹿な振りしてんの?ん?」
私の非難などまるで聞いていない。
頭を少し傾けて挑発的な視線を容赦なく注いでくる。
綺麗な首筋が黒いYシャツによく映えています。
それは誘惑に近いものがあるんじゃないでしょうか。
「…ち、違うよ!外山先生が丁寧に教えてくれたからだ、よ…!」
「声上擦ってるし、目ぇ見て話せよ」

「…うわ、ダメだ!!近い!!近いって外山バカ野郎!!!」
「かわいくねー」(にやにや)


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