無機質に発光する四角い薄型ディスプレイは
残酷にも私の眼球から水分と視力を奪い、あまつさえ今度は
意識すら剥奪しようとしていた。
そんな攻撃を健気にも跳ね返そうと懸命に四角形を睨み付けるのだが
悲しい哉人間の睡眠欲の強さというのは強烈なもので
非力な私は健闘虚しく深い闇の中へ意識を手放してしまった。
然しその力を遙かに凌駕するような衝撃と痛みによって私は目覚めた。
「痛っ、ぐ、ぅ…!!」
「何を居眠りしてるんですか、仕事なさい」
じんじんと痛む額と、その中身。
見上げれば不機嫌そうに眉間に皺をよせる白い影。
私の後頭部には彼の大きな手が乗せられている。
つまり、この男によって私の頭は机に打ち付けられた訳である。
「よ、ヨコヤさん!!いくらなんでもこれは酷すぎますよ!」
「仕事サボって眠っておいて、文句言うなんて生意気ですね」
確かに眠ってしまった事は悪かったと思う。
それにしても明らかに釣り合わない代償を私は強制的に
払わされた気がしてならない。
未だに鈍い痛みを持った額は、恐らく赤くなっているだろう。
「抵抗できない状況の女性の頭を渾身の力で机に打ち付ける男の人なんて
きっとヨコヤさん以外にいないんじゃないでしょうか」
「まだ無駄口叩く積もりですか全く」
「気が済みません、これじゃあ」
「…さん」
「なんでしょうか」
「人間の頭蓋骨というのは、思考を司る前頭葉を守るために
後頭部よりも丈夫に出来ているんです」
「そうですね」
「手加減したんですから、有難く思いなさい」
「…は!?」
(は!?じゃありませんよ)(いひゃい!!いひゃいれふ!!)
08.4/1 若干バイオレンスだけど、実は仲良し捻くれ上司アンド部下。