「…、子供って可愛いかい?」
「え?もちろん可愛いよ」
「…はぁ」
「なに、その溜息」

二人の幼児が追いかけっこをしていた。小さな手足を懸命に振って。
何がそんなに楽しいと謂うのだろうか、きゃっきゃと子供特有の笑い声をあげながら走る。
そんな光景を愛おしそうに彼女は眺めるのだ。隣にいる俺には目もくれずに。
そもそも俺は子供が嫌いだ。泣けば済むと思っている所が気に入らない。
きっと周りから見たら俺だって子供なんだろうけど自分の事くらい自分で出来る。
口に出してみたらはさも可笑しそうにケラケラと明るく笑った。

「なんだい?!何が可笑しいって言うんだい?」
「いや、あはは、だってアル拗ねてるんだもん」
「なっ、どこが拗ねてるんだ!」
「ほらぁ、そういう所だよ」
「君だって俺と同い年じゃないか…」

あぁ、そうだったっけ?とは悪戯に微笑んで「忘れてたよ」と追い討ちをかけた。
普段は淑やかそうな態度をしているくせに本性は勝ち気で、こうして俺をからかうのが好きなんだ。
こういう厭味なところはアーサーに似たんだな、きっと。

「何だい、みんなして俺を子供扱いして…」
「アル、何で子供嫌いなの?」
「さっき言ったじゃないか!…大体俺と名前の間に俺そっくりな男の子が生まれたらどうする。
 君、絶対構ってくれなくなるだろう?」
「…どうして男の人って無駄な方向に想像力豊かなのかな」
「無駄じゃないさ!俺たちの将来に関わる大切な…、」
「じゃあさ」

アルと私の間に私そっくりな女の子が生まれたらどう?

一瞬呆気に取られてしまって何も言えなかったけど、彼女によく似た瞳の色をした少女を真ん中にして
三人仲良く手を繋いで歩く光景を想像したら、すごく幸せな気持ちになった。

「悪くないね…」
「ふふ、でしょ?…まぁ私も嫉妬しちゃうかも」
「…そうと決まれば早速計画実行に移そうじゃないか!」
「は?人の話聞いてる?え、ちょっ、アル!?」

の白い手首を掴んで俺は颯爽と歩き出した。目的地?決まってるじゃないか俺との愛の巣さ!